子供の「おねしょ(夜尿症)」は怒ってもしょうがない。むしろ逆効果です。
小さい子供の悩みのひとつに「おねしょ(夜尿症)」があります。
この「おねしょ」は一昔前では「意識の問題」「気合の問題」などと精神論で解決策を見出そうとする傾向がありました。今でもその傾向はあるかと思いますが。
「おねしょ」と「夜尿症」
余談ではありますが、よく「おねしょ」と「夜尿症」(やにょうしょう)という言葉がありますが、これは夜寝ている間に排尿してしまうという意味では同じだそうです。
ただ年齢的に境があり、5~6歳以降の年齢だと「夜尿症」と呼び、それ以前だと「おねしょ」と呼ぶそうです。
小さい子供の「おねしょ」は、身体がまだ未発達なこともあり、膀胱が小さく尿を溜め込むことが出来ないことがあります。これは誰もが通る道であり、やむを得ない事象でもあります。
しかし5~6歳を過ぎてくると膀胱容量も大きくなりますが、それでも相変わらず「おねしょ」をする場合は、一種の病気として扱うため、「夜尿症」という名前がつくようです。
実際にはどちらでも良いですね。
「またあなたは夜尿症して~!」なんて言いませんからね。
子供の「おねしょ」について
上でも書きましたが、「おねしょ」をしていた子供も、一般的には遅くても5歳前後ぐらいで徐々に改善されていきます。
2~3歳ぐらいからトイレトレーニングによりオムツが徐々に取れてきます。
オムツがしっかり取れてくると、次に心配なのが「おねしょ」です。
これも当然最初は止むを得ません。徐々に覚えさせて体を意識させていくトレーニングを大らかな目で見ていくしかありません。
そして自然と夜寝ているときは我慢出来るようになり、尿を催したら自分で起きていくようにもなります。
あくまで目安ですが、3~4歳ぐらいになれば自然と出来るようになります。
しかし、そうはいっても個人差があります。
ここで親がとってはいけない言動が、「叱る」「怒る」といった行為です。
子供の「おねしょ」は気合だ根性だ!ではなく、病気の一種と考えてみる
まず第一に、「いずれは治っていくと思い大らかに対応すること」です。
子供だって「トイレ行くのが面倒だからこのまましちゃえ!」なんて思ってする子は、まずいないはずです。
布団の中ですれば誰でも気持ち悪いですし、その後に洗濯やらの始末が大変なのも目の当たりにすれば気をつけようとする意識が出てくるものです。
おねしょをして、「良いのよ~気にしないで布団でしても良いからね」なんて言う親はいませんからね。
しかしここで子供を叱ったり怒鳴りつけても、それは逆効果になることがあります。
私も小学生の高学年まで「おねしょ」をしてしまうことがありました。兄弟の中でも私だけでした。
親父から毎回こっぴどく怒られていました。
「何で毎回おねしょするんだ!」
「我慢しようという気がないからだ!」
などと。
子供の私からしたら、「そんなこと言ったってしょうがないじゃん」などと思いながらも、「そういうもの(気合の問題)かと」素直に反省しながら、やはり怒られるのは嫌なので、寝る前は搾り出すように何度もトイレに行き、寝る直前は「絶対しないぞ」を繰り返しながら寝たものです。
このような強い意識を持つと、数日間は「おねしょ」をしないものですから、やっぱり「気合の問題」かとも思っていました。
しかし、やはりこの「おねしょ(夜尿症)」は病気の一種ではあるのです。
現に私は、大人になった今でもトイレがとても近く、長時間の車や映画など、時には仕事の会議ですら我慢出来なくなることがあります。常にトイレを意識しないと大変な目に合うことになります。
これは正に病気の一種なのです。病院には今だに行っていませんが。
「おねしょ(夜尿症)」の原因としては以下のサイトが参考になります。
どうしておねしょしちゃうの?対策は?おねしょの科学 [子育て事情] All About
夜尿症の原因は複雑で、お子さんによって異なります。主なものは
・睡眠中の抗利尿ホルモン(アルギニン・バゾプレシン)の分泌量が少ないこと
・膀胱の容量がもともと小さいこと
・おしっこが溜まるにつれて膀胱が収縮してしまうこと(不安定膀胱と呼ばれます)
などが原因となります。また、冷え症や、場合によっては(それまでおねしょがなかったのに、成長してから突然夜尿症が始まるなど)心身症なども原因と考えられます。このような原因別に、夜尿症はいくつかに分類されます。(おねしょ診断はこちらで)
・生来型:乳児期から排尿の自立が確立されていない
・獲得型:一度確立された排尿の自立がなんらかの原因で崩れてしまう
・2次型:稀に尿崩症(尿量が多くなる病気)やてんかん発作(睡眠中のひきつけ)が原因小児科に受診すれば、それぞれ適切な治療が受けられるので、まずはおねしょ診断をしてみましょう。
他には、
おねしょ、夜尿症の原因は? | 夜尿症ってなあに? | 夜尿症(おねしょ)ナビ
簡単にまとめますと。
- 夜間の尿量が多い(抗利尿ホルモンの分泌量が少ない)
- 膀胱の容量がもともと小さい
- 膀胱や腎臓などに何かしらの原因がある
- 心理的ストレスがある
気合だ!根性だ!といったものが、必ずしも不要だとは言いませんが、5~6歳を過ぎても「おねしょ」が続く場合、基本的には「何かしらの原因」がある可能性があります。
つまり、子供にとってもどうすればいいのかわからない? といった状況です。
ここで「叱ったり」「怒鳴ったり」すれば、心理的ストレスが溜まり、余計に「おねしょ」が頻発し、さらに怒られるという、子供にとって最悪の循環が生まれる可能性があります。
そうすると「おねしょ」だけの問題ではなく、子供の精神状態にも様々な影響が生じてしまいます。
子供だって自尊心を傷つけられればショックに決まっています。
子供の「おねしょ(夜尿症)」の対処と向き合い方
大人は大らかに対処する
子供がまだ小さいうちは「そのうち治る」程度で、大らかに対応するのが良いかと思います。個人差はあれど基本的には自然と治るはずです。
まったく注意するなとは言いませんが、「おねしょ」は治すべきものであるという程度の教えで十分かと思います。
生活習慣を見直す
- 睡眠時刻・時間を規則正しく一定にする
- 夜はなるべく水分を減らす(やたらと減らさないように注意)
- 塩分の取り過ぎに注意する
- 排尿を我慢する練習をする(交感神経の働きが良くなり我慢が身につく)
最後の排尿・おしっこを我慢させる練習というのは、実際やると難しいかもしれませんね。
やり過ぎてしまうと、子供にとってもは苦痛でありますし、逆に我慢させ過ぎて漏らしてしまうなんてこともあるかもしれません。
当然ながら親が我慢させておいて漏らしたら「叱る」というのはNGですよ。
病院に見てもらう
これも「おねしょ」の頻度にもよるかと思います。
少し「おねしょ」が続いたからといって、すぐに病院に受診させてしまっては子供が可愛そうです。
自然に治るようなものでも、親の早とちりで子供に無用な心配をさせてもしょうがありません。
やはり5~6歳を過ぎても週何回も「おねしょ」をしてしまったり、何となく気になるようでしたら、小児科や泌尿器科で相談してから受診する方がいいかと思います。
どちらにしろ、「慌てず」「騒がず」が子供にとって大切かと思います。